夏や冬は飲み会の季節とも言えます。その為、二日酔いになってしまう人も多いでしょう。
そこで、今回は二日酔いを予防・対策する食べ物や飲み物をご紹介します。楽しくお酒を飲むための参考にして下さい。

飲む前に食べる(飲む)といいもの

二日酔い

二日酔いの対策は、お酒を飲む前からしておく必要があります。アルコールの吸収を遅くする食物を体に入れてから、お酒を飲むようにしましょう。間違っても、空腹の状態でお酒を飲んではいけません。

飲む前に体に取り入れた方が良い食べ物一覧表

最初に、お酒を飲む前から次の日までの、食べた方が良い食べ物や飲み物の一覧表をご紹介します。それぞれの食べ物の効果や効能、栄養素などはそれぞれ順番に紹介していきますので、まずは簡単な流れをご覧下さい。

飲む前に食べた方が良い食べ物・飲み物

  • ドレッシングを使ったサラダ、ナッツ類、ごま等 (脂肪分)
  • 緑茶、高濃度カテキン飲料 (カテキン)

飲んでいる時や飲んだ後に食べた方が良い食べ物・飲み物(前半と後半、飲んだ後をわける)

  • お味噌汁、スープ、お鍋 (水分と塩分)
  • かぼちゃの種、玄米、ごま等 (ビタミンB15)
  • カレー、マスタードを使った料理 (ウコンのクルクミン)
  • シジミ、ハマグリ、アサリ (アラニンとグルタミン)
  • 貝類の一部、イカ、タコ (タウリン)
  • カシューナッツ、ごま、鶏肉 (オルチニン)
  • ヒマワリの種、卵、豚肉 (Lシステイン)

普段から食べておいた方が良い食べ物・飲み物

  • ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ (スルフォラファン)
  • 上記で紹介した栄養素を含む食材

二日酔いの原理

二日酔いのメカニズムを見てみましょう。お酒を飲むと楽しいと感じるのは、アルコールによるドーパミンの分泌や、ストレス解消の効果からです。

アルコールが分解されアセドアルデヒドになるまではこの効果が持続しますが、アセドアルデヒドに変化すると、ただの毒素になります。このアセドアルデヒドを排出できないと、二日酔いの症状が出てしまうのです。

つまり、二日酔いの対策とは「体内のお酒をアルコールの状態で保ちつつ、アセドアルデヒドをできるだけ早く排出する」事なのです。

アルコールの吸収を遅くしよう

上の内容を見ると「こんな事ができるの?」と疑問に思う人も多いかと思いますが、飲酒前から対策を取っていれば、意外と簡単に行えます。
対策を大きく3つにまとめると、

  • 空腹時にお酒を飲まない
  • 飲酒時はゆっくり、ちびちびと飲むようにする
  • アルコールの吸収を遅らせる食物を事前に食べておく

この3つになります。
一つ目の「空腹時にお酒を飲まない」ですが、理由は簡単で空腹時のアルコールは満腹時に比べ吸収されやすいからです。
また、空腹時にアルコールを飲むと、血中のアルコール濃度が上がるピークを早める、濃度を高める、低血糖を起こしやすい等、アルコールが体に回りやすい状態になります。空腹状態での飲酒は避けましょう。
二つ目のゆっくり、ちびちびと飲むようにするというのも、ほぼ同じ理由です。
急に大量のお酒を飲めば、体内のアルコール濃度ももちろん上がります。急性アルコール中毒の原因にもなりますので、一気飲みや際限なく大量にお酒を飲む事はやめましょう。

アルコールの吸収を遅らせる食べ物を事前に食べておく

お酒を飲む前は空腹を避ける事をお話ししましたが、事前に摂る食物にアルコールの吸収を遅らせる物を選んでおくと、二日酔いを予防できます。

二日酔いを防ぐ食べ物で一番効果が高いのが、脂肪です。
脂肪は胃の中ではほとんど消化されません。他の食材に比べて消化される時間が長く、先に脂肪分を摂っておくと、アルコールの吸収をかなり遅らせる事ができます。
実際に、ヨーロッパではスプーン1杯分のオリーブオイルや、バターを飲酒前に食べる習慣があります。
よくおつまみにナッツ類があるのも、ナッツの脂肪分が二日酔いを防止してくれる効果があるからだそうです。
油をそのまま食べるのはさすがに抵抗がありますから、ドレッシングを使ったサラダやナッツ類、ゴマ等油分の多い食材を乾杯前等に食べるようにするといいでしょう。

良く牛乳を事前に飲むと二日酔いを予防できると言われていますが、これは昔の日本に脂肪分を含む食材が少なく、牛乳に含まれる脂肪分を活用した為だと言われています。
現在では、どちらかというと二日酔いで起こる頭痛に効果があると言われています。

ダイエットや体質的な問題で、脂肪分を摂れない人は緑茶を飲むといいでしょう。
緑茶に含まれるカテキンには、アルコールを始めとする栄養分の吸収を阻害する効果があります。
最近売られている高濃度カテキンを入れたお茶やドリンクに、ダイエット効果があると言われているのはそのためです。
高濃度のカテキンが、脂肪やアルコールの吸収を阻害する効果が、ダイエットを助けてくれるのです。

飲んだ後には?

二日酔い 予防

飲んでいる最中や、飲み会の終盤には、アセドアルデヒドを排出してくれる食べ物や飲み物を摂るようにしましょう。
飲む前はもちろん、飲んでいる最中や飲み会の終わりにも、二日酔い対策は必要です。

飲酒中は水分と塩分を忘れずに

二日酔いを防ぐ一番の食べ物は、水分です。
アルコールには利尿作用があり、飲んだ量の大半は尿と汗として排出されます。その為、水分をしっかり摂取しないと、脱水症状や二日酔いの症状を引き起こすのです。
また、アルコールは水分だけでなく塩分も排出してしまいます。塩分もしっかり摂取する必要があります。
良く飲み会のシメにラーメンを食べる事がありますが、これも水分と塩分を体が欲しているからです。
飲み会の最中には、水分と塩分の両方が摂れるスープやお鍋、お味噌汁を飲むといいでしょう。もちろん、飲み会の後でも構いません。

この他、上で紹介した脂肪分を多く含むおつまみや、肝臓の機能を高める効果のある食材もおススメです。

毒素を排出してくれる栄養素と食材

栄養素の中には肝臓の働きを高め、毒素の排出を助けてくれる栄養素があります。
ビタミンB15は、肝機能を高める栄養素の一つです。
かぼちゃの種や玄米、ゴマに含まれる成分で、肝臓疾患の治療薬にもなっています。二日酔い予防ドリンクのヘパリーゼにも含まれている栄養素です。
ゴマにはセサミンという成分も含まれており、これにも毒素を分解する効果があります。

もう一つはクルクミンという成分です。
ウコンが持つ有効成分で、ウコンそのものやウコンを活用したカレーやマスタードに多く含まれています。
肝臓の機能回復やデトックス機能があり、二日酔い予防に効果があります。
ウコンを飲み会の際に摂取するのは難しいですが、料理にカレーやマスタードが使われている物なら、おつまみとして食べるのもいいかもしれませんね。

シジミやハマグリ、アサリ等の貝類に含まれるアラニンとグルタミンには、アセドアルデヒドとアルコールが体内に留まる時間を短縮する効果があります。
また、貝類の一部やイカ、タコにはタウリンを含んでいます。このタウリンにはアルコールとアセドアルデヒドを分解する効果があります。
お味噌汁やスープを飲む時は、これ等の貝類を含んだものを選ぶといいでしょう。

カシューナッツやゴマ、鶏肉にはオルチニンという成分が含まれています。肝臓や腎臓の活性化や、損傷を修復する効果がある成分です。アセドアルデヒドを分解する効果もあります。

ヒマワリの種や卵、豚肉にはLシステインとLシステインの元となるメチオニンという成分が含まれています。美白効果のある成分ですが、老廃物を排出し、代謝を促す効果があるので、二日酔いにも効果があります。

日頃から食べておくといいもの

二日酔い 予防

日ごろから肝臓の動きを助ける食材を摂るようにすると、二日酔いに強い体を作る事ができます。
上で紹介した食材と一緒に、食べる習慣をつけるといいでしょう。

小見出し7:スルフォラファンを摂る習慣を付けよう
ブロッコリーやカリフラワー、キャベツに含まれるスルフォラファンという成分には、毒素を無毒化する効果があります。
肝臓の解毒力を高め、肝機能を向上させてくれるのです。
特に、ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトには、大量のスルフォラファンが含まれており、二日酔い予防はもちろん、二日酔いからの回復にも役立ちます。
スープなど吸収しやすい形にして食べるといいでしょう。

この他、上で紹介した毒素を排出する効果のある食材も食べておくとより効果的です。