ゴーヤ

食用だけでなく、グリーンカーテンにも活用されるゴーヤ。縄ではポピュラーなメニューで、夏バテ対策として食べられている野菜です。そろそろゴーヤがスーパーで出回る季節になってきましたので、今回はゴーヤについてご紹介します。

ゴーヤの栄養と効能

ゴーヤには夏バテや貧血、生活習慣病に効果のある栄養素がたくさん含まれています。普段の料理で取り除かれる中の綿や、種にも貴重な栄養素がたくさん入っているのです。

ゴーヤの栄養

ゴーヤにはビタミンC、ビタミンB1、B2、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富です。特にビタミンCをたくさん含んでおり、トマトの5倍ものビタミンCを含んでいます。しかも、硬い果皮に守られているため熱に強い性質があります。

ビタミンCは一緒に含まれているビタミンB1、B2と共に、抗酸化や疲労回復の効果があります。そのため、沖縄では夏バテに効果のある野菜として昔から食べられていました。

血圧を正常に保つカリウムや、骨を作り精神の安定に役立つカルシウム、血液を作る元となる葉酸や鉄分等、ミネラルも豊富です。お腹の調子を整える食物繊維も入っています。ゴーヤは夏バテだけでなく、貧血やお腹の調子を整える効果もあるのです。

ゴーヤの効能

ゴーヤの効果はこれだけではありません。ゴーヤに含まれる「チャランチン」「コロコリン酸」「モモルデシン」という成分には、様々な効果があるのです。

チャランチンはすい臓の働きを正常な状態に戻す効果があります。インスリンの分泌を促し、血糖を下げる効果があるのです。血糖値を下げる薬の中には、血糖を下げすぎて低血糖を招いてしまう場合がありますが、チャランチンはすい臓の働きを正常な状態に戻す効果によって血糖を下げているので、低血糖に対する心配がないのです。

この効果からチャランチンは「植物インスリン」とも言われています。この他にもコレステロールを下げる効果もあるので、生活習慣病に効果のある成分と言えるでしょう。

コロコリン酸にもチャランチンと同じく、血糖値を安定させる効果があると言われています。

モモルデシンはサポニンの一種で、ゴーヤの食物繊維や苦みを作っている成分の一つです。サポニンにはコレステロールや老廃物を排出することで、生活習慣病やガンを予防してくれる効果のある成分です。

食物繊維はお腹の中を綺麗にし、腸内にいる善玉菌のエサとなります。モモルデシンには健胃効果もあり、胃の粘膜を保護し胃液の分泌を促す効果があるので、夏バテで食欲不振の時にも有効です。

普段食べない所に栄養が!?

ゴーヤの種には共益リノレン酸という成分が含まれています。これが体内に入ると「共益リノール酸」という物質に変化し、脂肪を燃焼してくれる効果があるのです。脂肪を効率的にエネルギーに変えてくれるので、ゴーヤの種を食べて運動をすると筋肉を増強することもできます。

普段、ゴーヤの綿は取り除かれて調理されますが、この取り除かれる綿にこそ、ゴーヤの栄養がたくさん詰まっています。ビタミンCは果皮の1.7倍もの量が含まれているのです。

 

苦味をやわらげつつ栄養も失わない調理法

ゴーヤ

ゴーヤの苦みを和らげつつ、栄養も失わない調理法をご紹介します。併せて、普段食べない綿や種の調理法や、栄養価を上げる調理法を紹介します。

ゴーヤの苦みを抜く方法

ゴーヤはいくつかの調理法により苦みを感じにくくなります。苦みを感じにくくする方法は「塩だけでもみ込む」「塩と砂糖でもむ」「油と一緒に調理する」「うま味成分のある食べ物と一緒に調理する」の4つの方法です。

塩や砂糖でもむ方法

「塩でもむ」「塩と砂糖でもむ」方法は、単純に苦みを取るのに向いている調理法です。塩でもむ場合は、ゴーヤ1本に対し塩小さじ1杯、塩と砂糖を使う場合はゴーヤ1本に対しそれぞれ小さじ2分の1杯でゴーヤをもんで、10分放置します。

塩だけだとゴーヤの苦みも楽しむことができます。塩と砂糖を使った場合は苦みを殆ど感じなくなります。お子さんや、ゴーヤの苦みが苦手な人におすすめです。

しかし、塩や砂糖でもむ方法だと、ゴーヤのビタミンCも30%程失われてしまいます。この後、加熱するとまた30%減ってしまうので、ゴーヤに含まれるビタミンCを取りたい時には、あまり向いているとは言えません。

油やうまみを含む食材と調理する方法

ゴーヤの苦みは、油を使い高温で調理した時や、うま味成分と一緒に調理した時にも和らぎます。うま味成分を引き出す効果もあるので、ビタミンCを取りたい時にはうまみ成分を含む食材と一緒に、油で炒めるといいでしょう。

ビタミンCは加熱で減ってしまいますが、高温で調理時間を短時間で済ませられるように調理すれば、気になりません。そうしてみると、ゴーヤチャンプルーはゴーヤの栄養を取るのに適している料理と言えますね。

綿や種の調理法

普段食べない綿や種ですが、栄養をたくさん含んでいます。綿は天ぷらやスープにして食べる他、マヨネーズと粒マスタードであえ物にして食べることもできます。

種はフライパンで焦げ目がつくまで炒れば、そのまま食べることができます。ダイエットや筋力をつけるトレーニングをしている時には、丁度良いおやつになりますよ。

ゴーヤは乾燥させると栄養アップ

ゴーヤの栄養素であるカルシウムやビタミン、鉄分は乾燥させた方が栄養素の量が多くなります。乾燥させる時は、天日干しにしましょう。カルシウムは生の15倍、ビタミンは10倍、鉄分は30倍にもなります。

干しゴーヤを上げればゴーヤチップスに、弱火で焙煎した後お湯で煮出せばゴーヤ茶になります。ゴーヤチップスはゴーヤの苦みと香りを楽しめるおやつに、ゴーヤ茶はゴーヤの香りを楽しみつつも、ほうじ茶の様な飲みやすい味のお茶となっています。

 

「苦味」は妊婦に良くない?

ゴーヤ 妊婦

ゴーヤには、妊婦さんは食べてはいけない、という噂がありますが、実際はむしろ食べた方が良い食べ物です。栄養面でも、妊婦さんが摂るべき栄養がたくさん入っています。

妊婦さんは食べてはいけない?

ゴーヤを食べると流産する、といった内容がネットで出回っています。しかし、栄養面を見てもわかる通り、胎児の発育に欠かせない葉酸やむくみを取るカリウム等、妊婦さんに必要な栄養素をたくさんゴーヤは含んでいます。

ゴーヤの成分であるモモルデシンには胃を保護し食欲を増強する効果がありますから、つわりで食欲がない時等にも効果的です。苦みが気持ちをシャキッとさせてくれます。

実際、入院した妊婦さんの病院食として、ゴーヤを使ったメニューが出ることもあり、妊娠中にはゴーヤを積極的に摂った方が良いということがわかります。

どうしてそんな噂が広まった?

ゴーヤには体を冷やす効果がある他、モルルデシンを摂りすぎるとお腹を下してしまうことがあります。体を冷やす効果や、摂りすぎとお腹を下してしまう成分があるため、そのように言われてしまっているようです。

しかし、常識の範囲内でしたら全く問題はありません。そもそも苦みが強く、量を食べられる食材ではないので、心配する必要はないでしょう。他の食材と併せて、バランスよく食べるようにすれば問題ありません。