汗の臭い

これからの季節、気になるのが汗の臭い。夏になるとドラッグストアにはデオドランド効果のある商品がたくさん並んでいますね。しかし、これ等の商品に頼るだけでは汗の臭い対策は万全ではありません。今回は、汗の臭いをきつくする食べ物と、一緒に食べたり、後で食べたりすると臭いを消す効果のある食べ物をご紹介します。

汗の臭いを消す食べ物

腸内を整える食べ物

ゴボウ、メカブ、納豆、ホウレン草、パセリ等

抗酸化作用のある食材

緑茶、紅茶、アーモンド、みかん、グレープフルーツ、トマト等

アルカリ性の食べ物

梅干し、きのこ等

汗の臭いがきつくなる原因

汗の臭いを始めとする体臭は、食べ物によって変化していきます。まずは汗の臭いのメカニズムについてお話します。

私達が普段食べた物は腸で分解され、栄養となって吸収されていきます。分解される過程で体臭の原因となる「臭い物質」が発生します。この臭い物質は便やおならとなって排出される分もあるのですが、そのほとんどが血液に吸収されます。

血液に吸収された臭い物質は、肝臓で分解され無臭になり尿の形で排出されます。尿として排出される際に残ってしまった成分が、口臭や汗の臭いになるのです。

つまり、汗や口の臭いは私達が普段食べている食べ物が原因となっているのです。

臭いの元となる汗や汚れ等をこまめに除去するのはもちろんですが、上記の様な原因があるため、臭い対策は食生活から気を付けなくてはなりません。

体質によっては、特定の食べ物を食べていると体臭がきつくなってしまう人もいます。自分の体臭が気になる人は、まずは普段の食生活から見直してみましょう。汗の臭いをきつくする食べ物を紹介するので、当てはまる物がないかチェックして下さい。

汗の臭いをきつくする食べ物

汗の臭いをきつくする食べ物として、「タンパク質が多い食べ物」「脂質が多い食べ物」「乳製品」「臭いが強い食べ物」「嗜好品」です。それぞれ紹介していきます。

タンパク質や脂質が多い食べ物

タンパク質が多い食べ物、特に動物性たんぱく質の塊であるお肉のことです。お肉を食べるとタンパク質の消化のためにエネルギーをたくさん使います。これによって汗をかきやすい状態に体が変化するのです。

また、脂質の多い食事をしていると皮脂が溜まりやすくなり、脂肪分が汗と共に流れ出します。「油臭い」と言われる場合は、皮脂が臭いの原因となっているのです。

タンパク質が分解されるとアミノ酸になりますが、このアミノ酸の一部にはアンモニアを生成する物があります。この他、タンパク質や脂質の中には硫化水素やインドール、スカトールといった悪臭の原因となる物質の元にもなっています。

乳製品

上で紹介した様に、動物性たんぱく質や脂質は体臭を強める効果があります。動物から作られた乳製品も例外ではありません。

乳製品には動物性たんぱく質も脂質も含まれているため、臭いが強くなる原因になります。お肉や動物性の脂肪分に心当たりがない方は、乳製品はどうだったかチェックしましょう。

臭いのきつい食べ物

臭いのきつい食べ物を普段から食べていると、臭いの成分を肝臓が処理しきれなくなり、体臭として出てきてしまいます。

一般的に臭いのきついとされる食べ物を食べている人は、体臭がきつくなっている場合があります。普段食べる習慣がある人は、一度食べるのを控えてから体臭に変化が無いかチェックしましょう。

嗜好品

嗜好品というと幅が広くなりますが、「脂肪分・糖分の多い食べ物や飲み物」「お酒」「たばこ」のことです。

脂肪分や糖分が多い食べ物を食べていると、皮脂が増えて汗と共に臭いの原因となります。普段から間食が多い人は、食べている物を脂肪分や糖分の少ない物に変えましょう。紅茶やコーヒーに淹れる砂糖やガムシロップにも要注意です。

お酒やたばこを常に嗜んでいる人は、それぞれ独特の体臭がするようになります。時々楽しむ分にはいいですが、常にお酒を飲んでいる人やヘビースモーカーの人は臭いの原因となっていることもありますから、少しずつ控えていくようにしましょう。

それでも食べたいなら、汗の臭いを消す食べ物を

汗の臭いをきつくする食べ物を紹介しましたが、これ等の食べ物を全く食べないというのも難しいですね。

汗の臭いを強くする物を食べてしまった後は、「腸内を整える食材」「抗酸化作用のある食材」「アルカリ性の食材」を食べると、汗の臭いを消すことができます。

腸内を整える食べ物

腸内環境が整っていると、タンパク質や脂質が分解されても悪臭成分を抑えることができます。血液に出ていく悪臭成分も減らすことができるので、体臭を抑えることができるのです。

腸内環境を整える成分の中でも食物繊維は特に体臭対策の役に立つ成分です。食物繊維は善玉菌のエサになる上、便や余分な脂肪分等の悪臭の原因を排出してくれます。臭い物質を取り込む働きもあるので、体臭対策に欠かせない成分と言えるでしょう。

食物繊維はゴボウ等の根菜類や、メカブ等の海藻類、豆類、ホウレン草やパセリの様な葉の部分を食べる野菜、フルーツに多く含まれています。

善玉菌の仲間である乳酸菌を多く含む食材をいいでしょう。納豆の様に、植物性の発酵食品なら、食物繊維も一緒に摂ることができますね。

また、善玉菌のエサとなるオリゴ糖も効果的です。オリゴ糖はサトウキビ等に多く含まれている他、スーパー等でも生成されたオリゴ糖が売られています。普段使っているお砂糖を、こうした物に変えると無理なくオリゴ糖を摂取できますよ。

抗酸化作用のある食材

体が酸化すると酸化した老廃物による臭いや、加齢臭がするようになります。これ等を避けるには、ビタミンEやC、カテキンやポリフェノール、リコピンといった、抗酸化作用のある食材を食べるようにしましょう。

それぞれ含む食材が違いますが、中でもカテキンやポリフェノールを含むお茶が一番手軽に取り入れることができます。緑茶にはカテキンが、紅茶にはポリフェノールが含まれていますので、普段の飲み物を変えるだけで体臭対策ができるのです。

この他、ビタミンEを含むアーモンドや、ビタミンCを含むかんきつ類、リコピンを含むトマト等が効果的です。

アルカリ性の食べ物

人間の体は酸性に近付くと、体の抵抗力が弱まって悪臭を造り出す菌が繁殖します。これによって、汗の臭いがきつくなる訳です。

アルカリ性の食べ物を食べることで、体のバランスをアルカリ寄りに保つと汗の臭いを抑えることができます。アルカリ性の食べ物として有名なのが梅干しです。体臭がきつくなる食べ物を食べた時は、次の日の朝ごはんに梅干しを食べるといいでしょう。